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江戸名所図会から見る「神田」- 豊島屋 –

江戸時代を知る資料として評価の高い、『江戸名所図会」から当時の神田界隈を見てみます。まず、江戸名所図会とは何か。Wikipedia を引用します。

『江戸名所図会(えどめいしょずえ)』

江戸時代後期の天保年間に書かれた江戸の地誌。斎藤月岑が7巻20冊で刊行した。鳥瞰図を用いた長谷川雪旦の挿図も有名。
(省略)
武蔵、江戸の由来、日本橋から、各所の寺社、旧跡、橋、坂などの名所について記しており、近郊の武蔵野、川崎、大宮、船橋などにも筆が及んでいる。考証の確かさと、当時の景観や風俗を伝える雪旦の挿図が高く評価されており、江戸の町についての一級資料になっている。

鎌倉町豊島屋酒店白酒を商う図(江戸名所図会一巻より)

最初は江戸名所図会に書かれた豊島屋の全景からみてみます。


縁起物である、「雛祭りの白酒」を求めて集まった人々を描いた絵図。
雛祭りの白酒になぜ、これほどの人が集まっているのでしょうか。
雛祭りとは、もとは「男女の別なく無病息災を祈る行事」でした。いまは女の子の節句として雛祭りの人形を飾りますが、江戸時代は異なったということですね。

江戸時代には、五節句がありました。

江戸時代に幕府が正式に定めた節句が5つありました。
1月7日:人日(じんじつ)の節句 –
3月3日:上巳(じょうし)の節句 –
5月5日:端午(たんご)の節句 –
7月7日:七夕(しちせき)の節句」-
9月9日:重陽(ちょうよう)の節句 –
1月7日以外は、3.5.7.9 となっていますね。

左半分を拡大してみます。

左手の「入口」と書いてある場所から”押すな押すな”の状態で入り、その右の「酒醤油相休み候」と書いてある場所から”押すな押すな”の状態で出てきているのが分かります。皆、手桶を持っていますね。入る時は、手桶を逆さまにして持っているのが、出口から出てくる時は手で下げていますね。
*「酒醤油相休候」とは、今日は酒・醤油は、休み(売っていません)と言っていますね。一年の掻き入れ時なのでしょう。

手桶には、豊島屋の屋号のマークが書いてあります。大工道具の曲尺(直角に曲がった金属製の物差し)と「十」のマークが豊島屋のマークです。屋号に使う曲尺は、「まっすぐな商売をしています。」という意味だそうです。では「十」は、創業者名の「十右衛門」から取っています。

さて、皆が買い求めている白酒は、もちろんアルコールがあります。甘酒ではありません。通常はアルコール度数は9〜10%で、子供が飲むのものではありません。
子供の頃、白酒を飲んだ記憶のある人もいるかと思いますが、多分甘酒だったのではと思いますよ。
二日酔いになった記憶があれば別ですww

白酒は味りんや焼酎に蒸したもち米と米麹を混ぜて1ヶ月くらい熟成させてから、もろみの飯粒をすりつぶした甘味が強い粘稠な酒であり、甘酒は米飯に米麹と水を混ぜて保温し、米のでん粉を糖化したものでアルコールをほとんど含まない甘い飲物

江戸食文化紀行より

歌にもありますね。↓白酒はアルコール分があります。

ひなまつり : 作詞者 サトウハチロー
【3番】
金のびょうぶに うつる灯(ひ)を
かすかにゆする 春の風
すこし白酒 めされたか
あかいお顔の 右大臣

豊島屋の白酒について以下の言葉あります。

「山なれば富士 白酒なれば豊島屋」

似て非なるもの白酒3つ

同じ漢字で白酒と書いても、異なるものがあるようです。

  1. 白酒(しろさけ):蒸した白米と米麹(こめこうじ)を混ぜ合せ、それに酒や焼酎を加えて熟成させ、石臼でひいて造る、白く濁った甘味の強い酒
  2. 白酒(しろき):おみき。醸造した発泡性のにごり酒
  3. 白酒(はくしゅ):中国酒の一種になるパイチュウは、キョクシという麹(こうじ)を用いて造られている蒸留酒。コーリャン(モロコシ)やトウモロコシ、ジャガイモを原材料に蒸しています。

すこし脱線:雛祭りに雛人形を飾るのはいつから?

こちらは別の機会に書きます。

豊島屋酒店(こちらの酒店は今も営業しています。)

参考図書

「江戸名所図会を読む」川田壽 東京堂出版
ほか
屋号を分解すると、読み方がわかる

創業400年、江戸の酒屋・豊島屋が今も続く理由

白酒 豊島屋本店 桃の節句の風物詩

 

 

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この記事を書いた人

江戸時代のおもろしい出来事や、今も東京に残る名所・名物などを書いてゆきます。また、電車+徒歩でのウォーキングや、自転車であちこちを廻ります。加えて、落語も好きです。落語は、江戸の長屋のおもしろ可笑しい暮らしが分かって楽しいですよね。

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