江戸時代、卵は1つ400円

現代では、物価の優等生と言われる卵ですが、2023年になり値上がりし、1パック10個入りで300円を越えてきました。(今までは、200円未満で高騰しても200円をすこし超えるくらいでした。)

たまご

では、江戸時代の価格はどうだったのでしょうか。

卵の値段

さて問題の「卵は江戸時代にいくらか」ですが現代の値段にして、なんと1個400円。現代(2000年-2023年)では、1パック(10個)で200〜300円なので10〜20倍以上の贅沢品でした。庶民が日常的に食するには手の届かないものでした。

どのような人が食べていたでしょう

当時どのような人が食していたかと言うと、吉原遊女さんたち。中でも人気だったのが「ゆで卵」でした。

吉原では見世開きの清掻き(すががき:三味線によるお囃子)が鳴る時間(六つ時:午後6時くらい)から玉子売りが姿を現し、売り歩いていたそうです。
たった1個でも、以下のメリットはありました。

  • 栄養価も高い!
  • 貴重なたんぱく質も補給できる!
  • 美肌効果もある!

その値段はというと1個18文。屋台の蕎麦が16文(二八蕎麦)なので蕎麦より高かったのですね。

卵1個に含まれる栄養素

先ほどの栄養価が高く、たんぱく質、美容に良いという点について個別に書きます。

栄養価:
卵黄には脂溶性ビタミンであるビタミンA、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンKや水溶性ビタミンのビタミンB1、ミネラルの鉄が多く含まれ、卵白にはビタミンB2やカルシウムを多く含みます。簡単にいうと、各種ビタミンを多く含む食品です。

たんぱく質:
食事からとらなければならない9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」というそうです。これをすべて満たしているのが良質のタンパク質といい、卵はスコア100の完璧な食べ物と言われています。
卵たった1個で成人男性の1日に必要なたんぱく質の約13%を摂取できます。

美容に良い:
肌トラブル・口内炎・眼精疲労は、ビタミンB2の不足から起きる症状です。これもクリアです。

また、卵はゆで卵にすると、卵に含まれる「ビオチン」の吸収がスムーズになる特徴があります。 ビオチンは細胞を作るサポートをする作用があり、肌のダメージの回復、白髪・抜け毛予防、健康的な爪づくりなど、遊郭のお姉さんたちは経験則として知っていたのかもしれませんね。

江戸患い

江戸時代に患者が多かった「江戸煩い(えど・わずらい)」。
現代でいう脚気は、ビタミンB1の不足が原因なので卵では解決しませんでした。
ビタミンB1の不足を解決できるのはウナギです。こちらは別ページに記載しました。

江戸のうなぎ

たまご好きで有名な有名人と言えば、古くは板東英二さん。元乃木坂46の斎藤飛鳥さんも、ゆで卵が好きだとか。そしてT.M.Revolutionの西川貴教さんは1日40個も食べると公言しています。

流行の料理『玉子ふわふわ』

他には、どのような人々が、どのように食していたかというと江戸の武家層です。
三代将軍 徳川家光が後水尾天皇を饗応した際に出た『玉子ふわふわ』が評判となったようです。

レシピです。

  1. だし汁を沸騰させる。(だし汁は、昆布 or 鰹節 or 椎茸)
  2. 沸騰したら泡立てた溶き卵を一気に入れる。
  3. 蓋をして蒸らす。
  4. 胡椒を入れる。

俗に言う、卵スープなのですが、メレンゲのように泡だてて口で消えるとあります。
東海道53次の袋井宿大田本陣で朝食の膳に出されていたと言われています。現代でも静岡県袋井市の名物となっています。
江戸時代の世紀のベストセラー『東海道中膝栗毛』にも登場します。

卵焼き

少し脱線。このページを書いていたら「おいしい卵焼きを食べたい!」と思い調べました。

すると、
「江戸時代には王子の扇屋のように、卵焼を名物とする料理屋があり」というのを見つけて、「あれ?北区の王子駅?これ知ってる。」調べると、やはり江戸時代から現代まで営業している老舗でした。今は店舗販売のみですが買うことができます。

扇屋
東京都北区王子駅前。 URLは、扇屋
1648年(慶安戌子年創業)の老舗。定休日:水曜日定休 土曜日不定だそうです。

参考書籍

 

 

では今日は、このへんで。ここまでお読み頂きありがとうございました。

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